そこで、イエスは言われた。「だから、天の国のことを学んだ学者は皆、自分の倉から新しいものと古いものを取り出す一家の主人に似ている。」(マタイによる福音書13章52節)
一家の主人は、家族や雇い人たちの健康や暮らしに気を配って、スケジュール管理をしたり、倉に貯蓄した食べ物を分配したりしました。普段は悪くなる前に、古い穀物から消費していくように管理していますが、時には出し惜しみをしないで、新しい穀物を振る舞って、一家に身を寄せる人たちを養いました。
つまり“倉から取り出す”とは、他者の利益に資する行動を表しています。主イエスに従い、天の国を学んだ者には、他者の必要のために、人生の中で得てきたものを分かち合っていく生き方が期待されているのです。
伝統的に「新しいものと古いもの」という言葉は旧約聖書と新約聖書を象徴している、と言われてきました。私たちは時に、人々に分かち合うものを何も持ちあわせていないように感じることもあるかもしれません。それでも、私たちはこの聖書から学んで、受け取ったことを分かち合っていくことができます。私たちが分かち合える最良のものは、聖書に証された主イエス・キリストご自身なのです。