キリスト教会ではレント(受難節)の時を過ごしています。イースター(復活祭)の前の40日間のことを指します。この期間、クリスチャンはイエスさまの十字架の苦しみを覚えます。イエスさまの受難によって私たちの罪は赦され、永遠の命に至る希望を得ました。
神さまはたったひとりの子を世に与えるほど、わたしたちを愛してくださいました。イエスさまは神の子でありながら、わたしたちとまったく同じ人の姿でこの世界に来られました。わたしたちと同じように、恐れと不安を抱く人間となられました。しかし、最終的には、その感情的苦痛と恐怖を打ち砕き、神さまのご計画に従われ、わたしたち人間を罪から救うために十字架の道を進まれました。その十字架の時を、イエスさまは次のように説明されました。
「はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。」 (ヨハネによる福音書12章24節)
一粒の麦は小さなものです。この一粒だけでは何もできません。しかし、この一粒が地に落ちると、実を結びます。実を結ぶためには、殻が破られる必要があります。イエスさまも人となって、地上を歩まれ、様々な労苦を負われました。そしてその肉体は十字架において破られたのです。イエスさまは、わたしたちのために一粒の麦となって来られました。そして“わたしたち”という実を結んでくださったのです。