2023年4月23日「和解の福音に生きる」加山献牧師

レビ記3章には“和解のささげもの”についてのガイドラインが記されています。わたしたちにとって、旧約の礼拝について学ぶことの意義は、これらのささげものの一つ一つが、やがて来られるイエス・キリストを指し示していた、ということにあります。

この章では、イエス・キリストが私たちの平和の土台となってくださった、ということが語られています。この和解のささげもの特徴は、一連の儀式が終わった後、みんなで一緒にその肉を食べる、ということにありました。一部は焼き尽くして神様にお供え物としておささげしますが、残りの部分は祭司と、ささげた人とその家族と一緒に食べることになっていました。

ユダヤの文化では、一緒に食事をするということは、友情と親しさの証でした。もし何かの理由で有効関係が断絶していたり、疎遠になっていた場合、食事に招待したり、その招きに応えて食事に参加することは、かつては敵意のあったところに、今では平和があるということの表現でした。

キング牧師は有名なスピーチの中で次のように語りました。

「私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージア州の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。」

イエス・キリストこそが神と人とが出会う場所だあり、人と人とが出会う場所でもあります。キリストだけに、取り除くことのできる壁があります。民族、思想、宗教、国家、世界の人々を分断する壁はたくさんあります。しかし、キリストにあるならば、わたしたちはひとつとなることができます。わたしたちも委ねられた和解の福音に生きるものとして歩んでいきたいと思います。