『勇気を出して』 加山献牧師
「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」 （ヨハネによる福音書１６章３３節）
イエスさまは十字架にかかられる前の晩、上記の言葉を弟子たちに語られました。イエスさまのメッセージにはひとつの前提があります。それは「あなたがたには世で苦難がある」ということです。しかしイエスさまは、試練の中を歩む者に励ましの言葉を語られました。
１） 心の平安と共に生きる 「あなたがたがわたしによって平和を得るためである。」
アイルランド人のジョセフ・スクライヴン（Joseph Scriven）は二度も婚約者と死別するという辛い経験をしました。しかし、彼は信仰を失いませんでした。むしろ、このような悲しい経験の中でも、主イエスがくださる平安を、はっきりと感じとっていたのです。彼が書き綴った詩が『いつくしみ深き』の歌詞となりました。
「いつくしみ深き 友なるイエスは 我らの弱気を知りて 憐れむ悩み苦しみに沈める時も 祈りに答えて慰めたまわん」
２） 勇気をもって生きる 「しかし、勇気を出しなさい。」
「勇気を出しなさい」と訳されている言葉は“サルセイテ”というギリシャ語が使われています。「元気を出す、しっかりする、自信を持つ」という意味があります。人は人生を生きる中で少なからずいくつかの問題を抱えていくものですが、そのような時に最も必要とされるのは、人生に訪れる問題を真正面から見つめ、これに立ち向かっていく勇気です。
３） 勝利を望んで生きる 「わたしは既に世に勝っている。」
私たちは一人で苦しみの中にあり困難と闘っているのではありません。そこにはすでに勝利を取られた主イエスが共にいてくださるのです。