マタイによる福音書15章1節~20節
それから、イエスは群衆を呼び寄せて言われた。「聞いて悟りなさい。口に入るものは人を汚さず、口から出て来るものが人を汚すのである。」(10節~11節)
これは、日頃どのような言葉を語るかに気をつけていなさい、との主イエスのメッセージです。果たして言葉で失敗したことのない人などいるでしょうか。誰もが「あの時、あんなこと言わなければ良かった・・・」というような体験をしたことがあると思います。
口から出ていってしまった言葉はもう戻すことはできません。それは鋭く誰かの心を傷つけてしまう可能性をもっています。私たちは皆、言葉が口から出ていく前に、言葉を吟味する必要があるのです。しかしさらに主イエスは踏み込んでいきます。
「口から出て来るものは、心から出て来るので、これこそ人を汚す。」(18節)
もし口から出るもの、言葉をどうにかしたいと思うなら、心を見張りなさい、と主イエスは語っています。“人を汚す”とは、誰かを痛めつけてしまうこと、自分自身を傷つけてしまうことを表現している言葉です。もし人を汚す要因は私たちの心にあるのだとしたら、逆に人を生かし、傷ついた人を慰め、立ち上がらせ、弱った心を励し、強めていくのも私たちの言葉と心しだいです。
聖書は、まず心を定めなさい、心を守りなさい、とアドバイスします。私たちはご一緒に、生涯を通じて、自分自身の心を見張りつつ、命の泉から汲み取ることを学んで続けていきたいと思います。