2023年11月5日『神の価値観で生きる』石原誠神学生

今回の聖書箇所は、イエスさまが弟子たちに譬え話を用いて教えを説いている場面です。しかしこの譬え話に躓く人は少なくありません。なぜなら、お金持ちの主人は管理人のせいで不利益を被っているのに、管理人の振る舞いを褒めるからです。しかし、これは私たちの生きるこの世的な価値観で見るからです。主人にとって財産を使われる事は、不利益ではないのです。それより、関わりを持っている人々(債務者)との関係にひびが入る事を嫌い、良好になる事は喜ばしい利益なのです。この管理人は良好な関係を築くために財産(富)を利用しました。それは主人にとって褒めるに値するのです。

「富」という価値観を、神の価値観の為に手段として忠実に用いなさい。とイエスさまは教えておられるのです。また、イエスさまと常に共にいる弟子でさえ「富」という価値観が目的になってしまう恐れがあるという事を示唆しているのです。それは今の時代のクリスチャンであっても同じことが言えるのではないでしょうか。

そして管理人の褒められる行動には三つの大切な事柄がありました。それは①他者との関わりを選び取り、②霊の実が結ばれるのを信じ、③互いに喜び合える関係を目指す。ということです。環境に影響されやすい私たちの弱さをご存知であるイエスさまと繋がっていれば、これらの事は示され続けます。それに依り頼み、神に委ねて生きることが「神の価値観で生きる」ことなのです。