「終わりに、兄弟たち、喜びなさい。完全な者になりなさい。励まし合いなさい。思いを一つにしなさい。平和を保ちなさい。そうすれば、愛と平和の神があなたがたと共にいてくださいます。」(コリントの信徒への手紙第二11章27節)
使徒パウロはコリントの教会に宛てた手紙の結びの部分でこれらの勧めを書き記しました。この箇所には教会に対する5つの勧めがあります。
1)喜びなさい
最初の勧めは「喜びなさい」という勧めです。この言葉は喜んでいる状態がいつまでも続くようにしなさい。喜びの状態を継続しなさい。いつも喜んでいなさい、という意味の書き方になっています。
2)完全な者になりなさい
二番目の勧めは、「完全な者になりなさい」です。「完全になる」というもともとの言葉は「折れた骨をつなぐ」、あるいは「破れてしまった網をつくろう」という意味です。ここでパウロは「もう一度、神さまとの関係を回復し、隣人との関係をつなぎ直し、自分自身と和解し、満ち足りた(完全な)人となりなさい」と勧めているのです。
3)励まし合いなさい(新共同訳) = 慰めを受けなさい(新改訳)
ここでは励ましとも、慰めとも翻訳できる言葉が使われている。慰めを必要としない人はいません。「慰めを受けなさい」と聖書は語ります。また「あなた自身が誰かのための励ましとなり、慰めとなりなさい」と勧められています。
4)思いを一つにしなさい。
4つめの勧めは「思いを一つにしなさい」という勧めです。コリントの教会の問題に、意見の衝突、分裂がありました。思いを一つにするということは「違う意見の人がいても、その人を受け入れて愛しなさい」という意味です。様々な考え方がある中で、互いを尊重して、受け入れ合い、一つになっていくことが教会の目指す一致の姿です。
5)平和を保ちなさい
最後の勧めは「平和を保ちなさい」(live in peace)です。一人ひとりが神の前に謙虚な心で生き、自分の思った通りにならない事柄や何か間違いを犯した人を受け入れ、希望を分かち合いながら思いを一つにして生きるとき、わたしたちの間に平和が実現します。その状態を保ちなさい、と語られています。