「心の中で兄弟を憎んではならない。同胞を率直に戒めなさい。そうすれば彼の罪を負うことはない。復讐してはならない。民の人々に恨みを抱いてはならない。自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。わたしは主である。」
(レビ記19章17節~18節)
レビ記の17章以降は人々の生活に関する規則が記されています。これらの規則には宗教的な意味合いや、衛生的に人々の健康を守るための現実的な目的、そして人と人が一緒に生きていくうえで必要となる法律としての機能がありました。
17節から18節にかけては人間関係の黄金律と呼ばれるものが記されています。「自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。」 これは主イエスが特に愛し、重んじられた聖書の言葉です。
一人の律法学者が進み出、イエスが立派にお答えになったのを見て、尋ねた。「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」 イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』 第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』 この二つにまさる掟はほかにない。」 (マルコによる福音書12章29節~31節)
クリスチャンライフの要点はこの二つの掟に集約されます。神を愛し、人を愛することです。この二つの掟が聖書全体を包み込んでいます。しかしこの中にもうひとつ、大切な教えが含まれています。それは“自分自身を正しく愛すること”です。あるがままの自己を受容し、自分の人格の根底にしっかりとした土台を築くことによって、人は健全に他者を愛することができます。
「己れ自らを正しく愛することと、隣人を愛すること、とは全く互いに相合し合うものであり、根本において唯一つであり、又同じ物であります。」(セイレン・キルケゴール 『愛について』より)