三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。」 (ヨハネによる福音書21章17節)
① 砕かれた器であるペトロ
失敗のない人生はなく、痛みのない人生もありません。過去に後悔のない人もいないでしょう。主イエスが十字架にかかられる前の晩に、ペトロは主のためなら死んでもいい、と豪語しました。イエスさまを愛していたからです。そのように、愛してやまない、大切な人を裏切ってしまったからこそ、ペトロの痛みは大きいものでした。
しかし痛みに砕かれ、そこから立ち直った経験があったからこそ、彼は後に教会を励ます器として用いられていくようになりました。ダビデは詩編51編19節で次のように語っています。「神の求めるいけにえは打ち砕かれた霊。打ち砕かれ悔いる心を神よ、あなたは侮られません。」
② イエスさまの問いかけ 「あなたは私を愛しているか?」
復活されたイエスさまは「あなたは私を愛しているか?」と三度も問いかけられました。なぜ三回も問いかけられたのでしょうか?言うまでもなく、ペトロがしっかり自分の罪と向き合うためでした。さらには三度も主を否んでしまったペトロの傷を癒すためでもありました。
③ イエスさまのご命令 「私の羊を飼いなさい」
イエスさまは「私の羊を飼いなさい」という言葉も繰り返し語られました。主イエスは再びペトロに使命を与えられたのです。主はなおもペトロの未来に目を向けて、大切な働きを託してくださったのです。失敗したとしてもそこで終わりではありません。イエスさまは失敗した者にも、もう一度チャンスをくださる方なのです。